今日の英語、そうなんやー(第1回)

このブログでは、英語のスタイルガイド(主に『シカゴ・マニュアル・オブ・スタイル』)や文法書を参考にしながら、思わず「そうなんやー」と唸ってしまうような英語の文法・用法のポイントを紹介していきます。英語学習のちょっとした気分転換として楽しんでいただければ幸いです。

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ちなみに、『シカゴ・マニュアル・オブ・スタイル』とは、米国のシカゴ大学出版局から出されている、「学術論文はじめ、あらゆる英文の執筆に携わる方々に必携のスタイル(論文作法)マニュアルのスタンダードとして著名な書籍です」(東北大学附属図書館 2023)。

初回のテーマは「人称代名詞(personal pronoun)」と「比較表現(comparative construction)」の関係についてです。結論から言うと、「比較表現(more、thanなどを使った表現)の後に来る人称代名詞の格(I/meなどの主格または目的格)は、何を比較しているかによって変わる。」ということです。

英語の人称代名詞(にんしょうだいめいし)とは、話し手、受け手、第三者を指す人称代名詞のことですか?

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はい。あの学校で覚える「I、my、me、mine、myself、you、your・・・」ですね。

比較表現で代名詞の格が変わる理由

比較表現(than / as … as など)の後に来る代名詞は、

  • 主語として働くのか(主格:I)
  • 動詞や前置詞の目的語として働くのか(目的格:me)

によって変わります。

そして、その違いは 「何を比較しているか」 によって決まります。

例文で考える

My sister looks more like our father than I (or me).

この文は、実は 2通りの意味に読めてしまう(曖昧) ため、代名詞の格も変わります。

争点🅰 意味A:姉(妹)と私を比較している場合

姉(妹)のほうが私より父に似ている

この場合、比較されているのは 姉 vs 私。 代名詞は 主語として働く ので I が適切。

文意を明確にするなら:

My sister looks more like our father than I do.

争点🅱 意味B:父と私を比較している場合

姉(妹)は、私よりも父のほうに似ている

この場合、比較されているのは 父 vs 私。 代名詞は 目的語として働く ので me が適切。

文意を明確にするなら:

My sister looks more like our father than she looks like me.

なぜ例文(My sister looks more like our father than I (or me).)は曖昧なのかというと、"than I"と"than me"のどちらも文法的に成立してしまうため、読み手は「どちらの意味?」と迷ってしまうからですね。

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そのため、文意が曖昧になる場合は、比較部分を明確に書き換えます(代名詞の格を“比較している対象”によって決める。下表参照ください)。

まとめ

下図および下表は、『My sister looks more like our father than I [or me]』という例文についての上記争点A・B(何を比較するかによる人称代名詞と比較表現の変化)をまとめたものです。

A comparison diagram for illustrative purposes
表1 比較対象の違いによる代名詞(の格)の変化
表2 代名詞の違いによる比較表現・部分の変化

争点Aの場合、姉(妹)と私(話し手)が比較対象なので、代名詞は主格を取り、「than I (or me)」⇒「than I do」という比較表現に書き換えます。
他方、争点Bの場合、父親と私(話し手)が比較対象なので、代名詞は目的格を取り、「than I (or me)」⇒「than she looks like me」という比較表現に書き換えます。

「My sister looks more like our father than I [or me]」という例文の文意が争点A(姉【妹】の方が私よりも父に似ています)と争点B(姉(妹)は、私よりも、むしろ父の方に似ています)の意味のどちらにもとれるのでどちらなのか混乱してしまうということですね。

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はい。ですので、「文意がはっきりとなるように例文を書き換えてどちらの文意であるか明確にすべきです。

今回のテーマについては以上になります。最後までお読みいただきありがとうございました。